2017年の九州北部豪雨から7年がたち、筑後川の河川環境は大きく変化、その影響で原鶴温泉(福岡県朝倉市)の観光名物である鵜(う)飼いは、計画通りの漁が困難な状況が続いている。伝統ある鵜飼いを未来へつなげるため、原鶴温泉旅館協同組合(井上善博組合長)は新たな取り組みを始めた。その一つが、今年からスタートした「出前ウカイショー」だ。道の駅やイベント会場など、人が集まるさまざまな場所で鵜飼いの実演が行われている=写真。
5日、福岡市にある複合商業施設・ベイサイドプレイス博多でハワイアンフェスティバルが開催された。多くの観衆が集まる中、今年5回目の実演となる「出前ウカイショ―」が披露された。
鵜が巧みに魚を捕らえる様子に、初めて見る子供たちの歓声が響く。鵜匠の臼井信郎さんは「少しでも多くの人に鵜飼いの魅力を知ってもらい、原鶴温泉に足を運んでほしい」と話す。井上組合長も、「自然との闘いの中で、鵜飼いの存続は常に危うい」としながらも、「知恵を絞って、未来へつなげたい」と強い決意を示す。
出前ウカイショ―は、鵜飼いのシーズン外でも鵜が活躍できる場を生み出すことを目指している。各地のイベントに呼ばれるようになれば、鵜飼いの知名度向上にもつながり、ひいては原鶴温泉の活性化にも貢献することが期待される。
筑後川の鵜飼いは、毎年5月から9月にかけて行われる。船頭と鵜匠が小舟に乗り、乗客は屋形船で一緒に川を下り、伝統的な漁の様子を間近で見ることができる。
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