観光分野のイノベーションなどに取り組む関西イノベーションセンター(MUIC Kansai、早乙女実理事長)などは6月24日、ボートレース住之江(大阪市)で在日外国人を対象に、ボートレースをテーマにしたモニターツアーを実施した。ボートレースやピットツアーなどを体験してもらい、アンケートも実施。大阪の訪日客向けナイトタイムエコノミーとしての可能性を探る考えだ。
MUIC Kansaiのほか、JTB、アビームコンサルティング、YOLO JAPAN、大阪観光局、ボートレース住之江を所有する南海電気鉄道、レースを運営する大阪府箕面市が連携しての取り組み。
MUIC Kansaiによると、ボートレースは日本独自の公営競技で、欧米はじめ他国にはないという。海外からのVIP客がボートレースを楽しんだとの情報をきっかけに、インバウンド向けコンテンツとしてのボートレースの可能性に着目した。
ボートレース住之江がインバウンド客が集まる大阪・なんばから近い立地でナイター営業を行っていることから、インバウンド向けの大阪のナイトタイムエコノミーとしてのニーズの在り方などを探ろうとモニターツアーの実施に至った。
モニターツアーには、YOLO JAPANの呼び掛けなどを通して申し込んだ在日外国人14人が参加。VIP専用ラウンジや屋外席からレースを観戦したほか、レース開催中のピットで、元レーサーから説明を受けながら展示や整備の様子を見学。ボートレース場での飲食や実際のレースへの賭け体験もした。
ツアーに参加したドイツ出身のガシ・イエンズさんは「公営競技に興味はあったがやったことがなかった。実際に賭けるとなると、数字も多いし、ルールも外国人には難しいかもしれないので、丁寧な説明が必要だろう。ピットツアーはとても面白かった。レースのない日に選手と交流などできれば良いのでは」と話す。
箕面市ボートレース事業局の川岸英夫副部長によると、ボートレース住之江には、大きなレースやイベント時には約2万人が集まるものの、通常時の入場者数は平日が約3千人、土日は約6千人。近年のイメージアップ戦略が奏功して、競艇ファンだけでなく親子連れなども見学に来るが、外国人の来場はほぼないという。川岸氏は「ボートレースは大衆娯楽の場。日本人の遊びを追体験できる日本ならではの観光コンテンツという新たな切り口は面白い」と話し、今後の取り組みへの期待感を示した。
今後はモニター参加者へのアンケート結果に基づき商品の方向性などを固め、今年9~10月ごろには商品化したい考えだ。
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